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2020.4.25

アフターコロナ〜オンライン診療のトレードオフについて〜

ももこ歯科のブログを読んでくださる皆様、いつもありがとうございます。

今日は、アフターコロナについてお話ししていこうと思います。

トレードオフについて

以下は、Dan Arielyという有名な行動経済学者がSNSでシェアしていた記事のURLです(この記事を書いたのは、

https://www.project-syndicate.org/commentary/when-will-lockdowns-be-worse-than-covid19-by-peter-singer-and-michael-plant-2020-04?fbclid=IwAR3FZdidCZjEXO56TpJSPJF523gHSYm4Tzn7BLUBlTewhY8N9hyNXvnG3Ns

ロックダウンをいつまで続けるべきか?という問題提起から、何をトレードオフとするか、を考察している記事です。
経済を優先すれば、人の命が奪われる危険性は高まる、しかし人命を優先しすぎると経済が危なくなる、じゃあ、ロックダウンはいつまで続けなきゃいけないのか?コロナウイルスを根絶できるまでか?ワクチンができるまで?
これらは、確実な答えかもしれませんが、非現実的です。

では、何をもってトレードオフとするか。
この記事では、世界幸福度報告で使われている、個人の生活でどのくらい幸せか、どのくらい満足しているかを指標に健康を測定することが最善ではないか、重要なのは、身体的な健康だけでなく健康に影響するものを比較することだ、と書かれています。

私も含め一般の人々が、このような国を挙げての大事業に取り組む機会は滅多にないですが、アフターコロナを考えて行動するべきだ、と日々痛感します。

オンライン診療について

最近、厚生労働省医政局歯科保健課から、各都道府県保健所設置市特別区衛星主管部へ以下の通達がありました。

『新型コロナウイルス感染症が急激に拡大している状況の中で、院内感染を含む感染防止のため、非常時の対応として、オンライン・電話による診療、オンライン・電話による服薬指導が希望する患者によって活用されるよう直ちに制度を見直し、できる限り早期に実施する』

ここでトレードオフを考える

どんなケースがオンライン診療できるか、患者さんが直接歯科医院を受診する必要がある、と判断するか。
先ほどの世界幸福度報告を参考に、患者さんと歯科医院側のそれぞれのメリットをトレードオフとします。患者さんは歯科医院を受診する時間を省ける、歯科医院側はその時間を他の患者さんのために使うことができることをトレードオフとします。

現時点での私の結論は、オンライン診療の適応範囲は、再診の患者さんの方が初診の患者さんよりも広そうです。例えば親知らずを抜いた患者さんが、『まだ痛い。鎮痛剤がなくなりそうだから、また処方してほしい』と電話があったとします。痛みの原因を電話だけで診断することは難しいのですが、緊急性がありそうならオンライン診療は可能でしょう。しかし、後日必ず受診していただくことが大前提です。

今のところ、オンラインのみで診療あるいは治療を行うことは不可能です。診断が不正確になるからです。診断には主に視診、触診、レントゲン撮影等々が必要です。カメラレンズの精度が上がり、狭くて暗い口の中でも入るカメラを国民が持てる時代になれば、視診はオンラインでも制限はありますが適応範囲は今よりも広がるでしょう。オンライン診療で不可能なのは触診とレントゲン撮影等々です。

それから、電話やオンラインで診察を済ませるならばお互いの都合がある、という配慮を患者さんも歯科医院側も持つことは大事です。患者さんからいただいたお電話に歯科医師が出られるタイミングかどうか、再度患者さんにお電話をかけ直していただいても結局歯科医院を受診していただかなくてはならない可能性があります。理由は、上記の通りです。

医療の場合は、すべてのケースにおいてオンライン診療は不可能ですが、今後のテクノロジーに期待があってもいいと思います。
しかし、テクノロジーの進化と人間の尊厳のトレードオフをいつも考えなければなりません。

 

これから、いろんな変化が起こると思います。
みなさんは、何をトレードオフにしますか?

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