外科的歯内療法(歯根端切除・ 意図的再植術)とは
根管治療を行った後、一定期間経っても症状が改善しない場合や、かぶせものをはずせない理由があるときに外科的歯内療法を行います。外科的歯内療法は、根の先を3mmほど切除します。外科的歯内療法には歯根端切除術と意図的再植術があり、第一選択は歯根端切除術ですが、歯の位置により器具が到達しづらかったり、術後の合併症が起こる確率が高い場合に意図的再植術を選択します。外科的歯内療法によって予後不良の根尖性歯周炎を改善し抜歯を回避できる可能性があります。歯根端切除を適応するか意図的再植術を適応するかは、症例によって異なりますので、一度ご相談ください。
外科的歯内療法が適応される症例
- 根管治療後、歯茎の腫れや痛みが改善されない場合
- 根管治療後も歯根先端にある病巣の影が消えない場合
- かぶせものを外せない場合
歯根端切除のメリット
抜歯せずに歯を残せる
可能性がある
根管治療後に再び細菌感染を起こし、再治療のリスクが高い場合や、根管が石灰化して治療が困難な場合にも、精密な歯根端切除術を行うことで抜歯を回避し歯を残せる可能性があります。
被せ物を外さずに
治療できる
歯根端切除術は、歯茎を切開し行う外科手術なので、被せ物を外さずに治療を行うことが可能です。
歯根端切除のデメリット
歯根端切除にはメリットが多い一方で、外科手術なのでデメリットもあります。歯根端手術は、歯茎を切開して行うため、術後に歯茎が下がる可能性があります。また、切開をしているので術後に痛みや腫れが生じます。治療消炎鎮痛剤や抗生物質を内服していただく場合もあります。
※歯根が短くなるので、元々の歯根の長さによっては耐久性に不安が生じることがあります。
意図的再植術のメリット
根管治療・歯根端切除を適応できない症例でも歯を残せる可能性がある
根管治療や歯根端切除を適応できない症例の場合でも意図的再植を成功させることで、歯を残せる可能性があります。一時的に抜歯して、病巣部分を取り除いた後、歯を元の位置に戻します。その結果、ご自身の歯で生活することが可能です。
意図的再植術のデメリット
意図的再植術は、一度抜歯して必要な治療をした後に元の位置にご自身の歯を戻す治療です。一度抜歯する必要があるため、治癒するまでに時間を要し、その間に歯が抜け落ちてしまう可能性があります。そのため、知識や経験のある歯科医師に相談することが重要です。