歯内歯周病変(症例1〜4)のまとめ
ももこ歯科のブログを読んでくださる皆様、いつもありがとうございます。
今回は症例1〜4歯内歯周病変のまとめです。
2023.4.30から9回に渡り、ももこ歯科での根管治療を代表して、サイナストラクトがある症例報告をお話ししてきました。サイナストラクトとは、歯肉にできるオデキのようなものです。サイナストラクトが根管治療だけで治癒するケースもあれば、外科的歯内療法を行って治癒するケースもあります。
歯内歯周病変はどんな病気?
症状について
症例1〜4のようにサイナストラクトが出現することもあるし、歯肉が腫脹する場合もあります。腫脹とともに痛みがあることもあれば、サイナストラクトができた後は圧抜きができるため、痛みが弱くなったり、なくなることもあります。4つの症例すべての患者さんに痛みはなく、サイナストラクトが気になる、とおっしゃってました。また以前はかむと痛みがあったとしても、サイナストラクトができるとかんでも痛みはなくなることもあります。サイナストラクトは排膿路になっているので、痛みがなくても治ってはいません。後日あらためて、サイナストラクトの病態について詳しくお話ししたいと思います。
原因について
歯内歯周病変の原因は歯の中か歯の周り、あるいは歯の中と周りの両方にある場合があります。歯内歯周病変の原因が歯の中か周りかを治療前に明らかにすることはできません。治療を進めながら歯内歯周病変の原因が歯の中か歯の周りかを明らかにしていきます。サイナストラクトが根管治療で、あるいは根管治療と外科的歯内療法で治癒すれば、サイナストラクトの原因は歯の内部、根管治療と外科的歯内療法を行ってもサイナストラクトが治癒しなければ、原因は歯の周りが原因=歯周病が原因になります。サイナストラクトの原因が歯の中であっても歯の周りだろうとも、根管治療から行うことが原則です。症例1〜4すべて根管治療から開始しました。症例1〜4は歯の内部に問題があってサイナストラクトができていると診査の結果から考察できました。
治療法について
根管治療と抜歯があります。痛みや腫れがある時期は投薬をした後治療をすることはあります。しかし、投薬のみで歯内歯周病変を治すことはできません。根管治療か抜歯が根本的な治療になります。
では、根管治療か抜歯、どちらが適切な治療法なのかは、ケースバイケースです。患者さんにメリットデメリットを提示して、ご自身に合った治療法を選択することが理想だと思います。
今回症例報告として挙げた5例は、すべて根管治療を行いました。根管治療を行った理由は2つ。まず歯の健康な部分(虫歯になっていない部分)が多く残っていること、症例4と5は、治療後に歯周病の問題が発生して頻繁に歯肉が腫れても、今できることをやってそれでもダメならその時考える、という患者さんの意志があったから、以上です。
症例1〜4を通じてお伝えしたかったこと
サイナストラクトができた歯を治す手立てがないと思っていらっしゃる方、あきらめる必要はないです。歯内療法の基本コンセプトを遵守した根管治療を受ければ、治るはずのサイナストラクトは治ります。痛みがあるため根管治療を繰り返し行っていても痛みは取れないし、サイナストラクトが治らない場合でも、歯内療法の基本コンセプトを遵守した根管治療で嘘のように治ることもありますし、外科的歯内療法を併用してサイナストラクトが治ることもあります。
ももこ歯科の症例報告がみなさまのお役に立てると嬉しいです。
次回のブログもお楽しみに。