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NiTiファイルの各部位について1

院長ブログ

ももこ歯科のブログを読んでくださる皆様、いつもありがとうございます。

今回は、NiTiファイルの各部位についてのお話です。
NiTiファイルの各部位の名称と役割を知ってから、NiTiファイルがどうやって改良されていったかをお話しした方がよくわかると思います。

ファイルの先端を拡大すると下記中央の図のようになります。
ほとんどのNiTiファイルの先端は、ノンカッティングチップといって、刃がついていません。ファイルが根管内で切削回転しながら根尖へ進めていく際に、根管壁に食い込んでロックされるのを回避しています。

ピッチとテーパー

上図のように、ファイルの螺旋部分の間隔をピッチといいます

ファイルが太くなると、ピッチの間隔が短くなり、太い螺旋の部分が多くなるので、ファイルの剛性が大きくなり、根管の湾曲に追従しにくくなります。

テーパーとは、NiTiファイルの直径が先端から上部にしたがい、徐々に大きくなることをいいます。

たとえば、先端が40号で4%のテーパーがついてる場合、先端から1mmの直径は#44、先端から2mmが#48、先端から3mmは#52と徐々に太くなります。
このように、先端から同じ割合でテーパーがついているNiTiファイルもあれば、可変テーパーといってさまざまなパーセントのテーパーが先端からついている物もあります。たとえば、NiTiファイルの先端から3mmまでは8%のテーパーがついているけれども、ファイルの上方にいくにしたがってテーパーが小さくなっているファイルがあります。理由は、根管口付近の歯質を過剰に切削しないためです。それから、テーパーが0、つまり、テーパーがないNiTiファイルもあります。

根管形成をする際に、以前は根管充填のために便宜的な配慮をする必要がありました。たとえば、根管充填をする際の手技のために、便宜的に根管口付近の歯質を削除していました。しかし、近年、シングルコーンテクニックという新しい根管充填法が登場したため、便宜的に根管口付近を広く形成する必要はなくなり、歯質の保存を考慮して形成量はミニマムになるよう、NiTiファイルのみならず様々な器具が改良されています。

今回はここまでです。
つづきは、次回のお楽しみです。