そもそもその歯に根管治療は必要か?〜パート1〜
ももこ歯科のブログを読んでくださる皆様、いつもありがとうございます。
今回のブログは、『そもそもその歯に根管治療が必要なのか?』というお話です。
ももこ歯科のブログの多くは、患者さんを対象に根管治療はどういう治療法か、という視点でお話ししていますが、今回は歯科医師としてこんな症例をどう考えるか、という視点でお話しします。
患者さんは、20歳 女性。
主訴:根管に折れたファイルを取った方がいいか相談したい
右下顎第一大臼歯に強い痛みがあり、とある歯科医院で根管治療を行なった後、しばらく放置していた。別の歯科医院を受診したところ根管に破折したファイルの存在を指摘され、根管治療を行なった歯科医院を受診し、破折ファイルの除去依頼でももこ歯科を受診されました。
ここで断っておきますが、破折ファイルを除去するだけの依頼は受けません。理由は、破折ファイルを除去しただけでは根尖性歯周炎を予防し治療できないし、責任の所在がぼやけますから、当院では、根管治療をする患者さんの1歯に対して1歯科医師が根管治療を行う、と考えています。
それでは話を戻します。初診時の状態です。
患者さんは20歳で、前途有望な若者で、将来がかかってますから、なんとか良い状態にしたいですね。ただし、患者さんはファイルを除去してほしい、と切望していません。患者さんの本当の気持ちは、『これからの生活で、破折したファイルの存在が、痛みや腫れを誘発するような支障を起こすなら、破折したファイルを除去してほしい』です。実際には、破折したファイルが原因で痛みや腫れが出ることはないし、錆びて金属が腐食して体に悪影響をおよぼすことはないです。
ひとまず、患者さんの主訴は解決です。
では、この歯をどうするべきか、という本題は次回です。
お楽しみに。