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2020.4.21

歯髄は残せるか?残せないか?診査診断の大切さ〜歯髄炎編③〜

ももこ歯科のブログを読んでくださる皆様、いつもありがとうございます☺️

今回のブログは、歯髄は残せるか残せないかシリーズ最終回です。

このタイミングで受診していたら、歯髄は残せたかもしれない、というお話です。もし、今悩んでいらっしゃる方の参考になればと思います。
実際の症例でみていきましょう💁🏻

『ここ』のタイミングで受診する!

患者さんは、40歳女性。
『左下奥歯でかむとイヤだな、という感じがする』を主訴にももこ歯科を受診されました。

診査をすると、冷たい刺激、温かい刺激に対して長引く痛みがあり、不可逆性歯髄炎という診断で、根管治療(抜髄)を行うことになりました。
不可逆性歯髄炎とは、歯髄の炎症が強いため、一部の歯髄を除去しても、痛みなどの症状は治らない病気です。

では、どのくらいの穴があいていたか、初診時の口腔内写真です。

初診時口腔内写真の左が正面像です。各写真の矢印で指しているところは、患者さんが2月中旬頃に気づいた『穴があいている』歯です。穴に気が付くには、大きくならないと難しそうな場所ですね。右上の写真は左側を撮った写真で、右上の拡大写真が右下の丸い写真です。穴の中に食べ物がつまっています。穴の周りは少し黒くなっているところもあれば白濁しているところもあり、虫歯は大きそうです。

穴の大きさは、患者さんが気づいた時と初診時では変化がないとのことでした。

次に、レントゲンをみてみましょう。

初診時のレントゲンで矢印は、穴があいている歯を指します。
黒くなっている部分が虫歯の大きさを表し、口腔内写真での穴よりも大きいです。
以前のブログでお話ししたように、歯髄を残せるかどうかは、虫歯の大きさで決まることもありますが、このケースの場合は、診査の結果、不可逆性歯髄炎だったから、根管治療(拔髄)をしました。
もし、診査の結果で正常歯髄と診断し、日常生活で何の痛みも感じることがなければ、歯髄を保存する生活歯髄療法が適応だったでしょう。

余談となりますが、診査の結果正常歯髄と診断しても、虫歯の大きさで歯髄が保存できない、と判断する場合は、かぶせ物の維持ができるかどうか、です。

このケースの患者さんは、現在治療中です。

最初に気づいた時が、歯科医院を受診するグッドタイミング!

患者さんが穴に気付いてすぐ歯科医院を受診しても、日をあけて歯科医院を受診しても、根管治療(拔髄)をしていたかもしれませんが、症状の変化で、穴があいていることに気づいた時点で患者さんが歯科医院を受診していたら、結果は変わっていたかもしれません。
以前も同じような症例のお話をしました。

結果が変わらないならいつ受診してもいいのではないか、という意見があるかもしれません。
人は、結論を先延ばしにすることがよくあります現状維持でいいのではないか、と変化を恐れたり嫌うことがしばしばです。
しかし、結論の先延ばしをせず、最初に気づいたタイミングで歯科医院を受診していたならば、自分の取った行動を悔やむ必要はなくなるのです。
それから、虫歯の自然治癒はなかなか難しく、期待をしない方が無難でしょう。
何かの異変に気づいた時、歯科医院を受診する最適なタイミングです。

以上となります。

次回は、症例報告です。
患者さんの治癒能力に感動しました。
基本っていつでも一番大事だな、と思ったケースです。

おたのしみに。

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