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2021.8.12

そもそもその歯に根管治療は必要か?〜パート2〜

ももこ歯科のブログを読んでくださる皆様、いつもありがとうございます。

今回は前回のつづきで、根管治療を行える歯かどうか、を検討します。
根管治療はそもそもかぶせられる歯に行うのであって、かぶせられない歯=(抜歯する歯)に対して行う治療ではありません。

では、実際どのように検討するか、みていきます。

1. 虫歯の大きさと深さの確認

患者さんは20歳で将来がある若者ですから、なんとか残したいのですが、虫歯が大きく深ければ、歯を残すことは難しいです。根管治療後約半年の間、仮封のままでしたから、虫歯は大きく深くなっていました。

2. かみあわせの改善

初診時口腔内写真の右下のかみ合わせの写真を見るとわかるように、右上の歯が挺出してきて、右下顎第一大臼歯とかみこんでいます。これは、根管治療後放置している期間があったからです。根管治療後すぐにかぶせていれば、右上の歯は挺出してくることはなかっただろうと思います。

患者さんは、右上の歯を矯正力により圧下させて本来の正しい位置に戻したいか、限界はありますが右上顎第一大臼歯を削って右下顎第一大臼歯にかぶせものが入れられるくらいのスペースを作るか、それとも、この状況のままかぶせたいと思っているか。この状況のまま右下顎第一大臼歯にかぶせ物を入れたら、すぐ取れてしまうようなかぶせものになってしまう可能性が大きいです。

咬合平面の歪みは、将来的に問題が出てくる可能性があります。

上の図は、右側面と左側面の咬合平面の歪みを示します。
黄色い線は、咬合平面です。右側面は上顎第一大臼歯が挺出しているので、咬合平面が歪んでいます。左側面の咬合平面はすべての奥歯はかみ合っていますから、歪んでいません。
咬合平面に歪みがあると、どこかの歯がぐらぐらしてきたり、歯がわれたり、かぶせ物がすぐ取れたり、等々いろいろな問題が生じます。咬合平面の歪みが原因で生じた問題の解決には、多くの時間を要し、いろんな意味で患者さんにも負担が生じます。

3. 根管治療を行うか

虫歯の大きさや、現在のかみ合わせの問題点を紹介元の先生にお話しし、今後どうするか具体的な治療方針を立てていただくことになりました。

根管治療を行う、という意思決定をする前に、色々な問題を解決していく必要があります。

それでは次回のブログもお楽しみに。

 

 

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