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[記事公開日]2018/08/27
[最終更新日]2018/11/08

『根管治療の途中で痛みが出たから薬を詰められない』このままでいいの?

ももこ歯科のブログを読んでくださるみなさま。
いつもありがとうございます。

薬が詰められないでいることについて

今日のテーマは、根管治療で痛みが継続していることを理由に、薬を詰めないままでいることについて、どのように考えるかです。

結論をいうと、無菌的処置基本コンセプトにしている歯内療法では、痛みがあっても薬はつめます。
薬を詰めなければ、根管治療の痛みが引くわけではありません。
痛みがあるから薬を詰めないままでいることは、無菌的処置基本コンセプトにしている歯内療法ではしません。

ではどうして、『痛みがあると薬をつめられない』のか。
理由は、ドレナージといって、圧抜きを目的にしています。

無菌的環境下で、機械的拡大洗浄貼薬を行い、根管の中をベストな状態にしたにもかかわらず、痛みがあったり腫れが引かないなど患者さんにとって不快な症状が続くようであれば、根管治療を繰り返さず、外科的歯内療法へステップアップします。

要するに、痛みがあろうが腫れが引かなかろうが、患者さんの気になる症状が残っている場合は、無菌的処置基本コンセプトにしている根管治療で対応できないのだから、外科的歯内療法へステップアップするのです。

根管治療中に発生した痛みが継続しているけれども、無菌的処置基本コンセプトにしている歯内療法を行なって、痛みが改善したケースをご紹介します。

根管治療の痛みで悩んでいた患者様の症例

症例1

症例1は、根管治療中に痛みが出たため蓋をしなかった患者さんです。

根管治療をスタートさせて3ヶ月くらい経過しますが、痛みが出ているため蓋も薬も詰めていない状態でした。
症例1の左下は初診時の口腔内写真で、矢印が痛みの原因の歯です。症例1の右2枚が、原因歯の拡大図です。
赤い染色液で感染している部分を染め出すと、わりと広範囲にピンク色で染まっています。これは、虫歯というよりもプラークといって細菌の塊がピンク色に染まっています。
この状態のまま長期間放置すると、病状が悪化する可能性が高くなることは、容易に想像がつくと思います。

症例1の患者さんは、無菌的環境下で、洗浄貼薬を行い、根管の中をベストな状態にしたところ、痛みは改善しました。

機械的拡大は、すでに大きく根管が開いていたので、必要ありませんでした。

症例1の場合、拡大せず洗浄剤貼薬剤の抗菌作用で痛みを改善できたと思います。

このような症例に遭うと、一般的には補助的に使われる洗浄剤貼薬剤の役割が非常に重要であることをいつも痛感させられます。

症例2

次は、根管治療中から継続した痛みがあり、薬を詰めてはいる(根管充填)けれど、痛みが依然として残っていて外科的歯内療法で痛みが改善した症例です。

根管充填とは、機械的拡大洗浄貼薬が終わったら、根管に薬をつめることです。
根管に充填する材料は、永久歯の場合、主にガッタパーチャという材料を詰めます。

しかし、この症例はビタペックスといってガッタパーチャよりは粗造な材料で根管を充填していました。
根管充填の意義は、細菌を根管内に埋葬し、根の先に細菌を行かせないようにすることです。
埋葬するためには、根管の中を材料によって隙間なく詰めてあげた方がいいです。

話を戻します。
粗造な材料で充填していた症例2の患者さんは、依然として痛みがあるままでした。
粗造な材料で根管充填したから、痛みが現状維持のままだった、あるいは痛みが悪化しなかった、というわけではないのです。

症例2の痛みの原因は、根の先の細菌を除去しきれなかったからではないか、と考えています。
根の先の部分は少しカーブしている状態で、このカーブの部分に器具を到達させることが難しく、機械的拡大ができず、細菌を除去できなかったから、痛みが残ってしまった、と考察しています。

要するに、痛みの原因は細菌を除去しきれなかったことであって、詰める薬の種類によって痛みが軽減あるいは消失するわけではないのです。
結局、根管治療ではオリジナルの根管をきれいにすることはできず、患者さんの痛みの状態は変わらなかったので、歯内療法外科へ移行しました。

症例2の患者さんは、現在経過観察中です。まだ術後の痛みが名残としてあるようですが、『以前とは違う』と先日患者さんから言われました。

もう少ししたら、詳しく術後の状態をお話しできると思います。

理想的には、虫歯にならないことが最善です。
しかし、残念ながら歯髄保存が不可能になってしまった時、無菌的環境下根管治療を行なったら、痛みが長引くことはほとんどないと思います。痛みがあっても、1週間程度ですし、鎮痛薬で対応できる場合が多いです。

虫歯が大きく歯髄が保存できない場合は、一度無菌的環境下根管治療を行うことを検討してみてもいいかもしれません。

理由は、2016.7.7のブログを参考にしていただくと、ご納得いただけると思います。

カテゴリー:痛み, 根管治療 タグ:

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