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[記事公開日]2018/06/07
[最終更新日]2018/11/08

根管治療後のかぶせ物について(パート1)~根管治療後の歯の補強について~

いつもももこ歯科のブログを読んでいただきまして、ありがとうございます。

今日のお話は、根管治療後のかぶせ物についてです。

根管治療が適応になる歯は、虫歯で崩壊していることが多く、強度的に弱くなります
そこで、樽のタガのように歯を囲ってあげたら、歯の強度が強くなる、というお話です。

歯にかかる負荷について

図1の水色の矢印のように、歯に負荷をかけた場合、ピンクの矢印の方向に力のベクトルが働きます。ピンクの矢印の方向に働くベクトルをいかに阻止するか、が歯の強度を上げるポイントです。

咬頭被覆について

虫歯がある歯を図2の左の2つの図のように削った場合、咬頭(歯の一番尖っているところ)をなんらかの材料でかぶせてあげる(咬頭被覆)と、歯を樽のタガのように囲えるので、歯の強度を上げられます。

歯の強さの比較

Linnらは、36本の歯を6つのグループに分けて、歯を削って強さを調べました。

まず、図3のMO窩洞で歯を削った場合の強さの比較をします。
図3中央の、歯をまったく削っていない状態の強さを100とすると、図3左のように削った状態(MO窩洞)の歯の強さは80で強度は減少しましたが、ゴールドで咬頭被覆した部分の強さは153と、まったく削っていない状態よりも強くなっているのです。

では、MO窩洞よりも歯を削る量が多い図4MOD窩洞の場合を検討します。

図4中央の削っていない状態を100とすると、図4左の削っただけの状態を強さが60あるいは61と、MO窩洞の時よりもずいぶんと減少しています。しかし、ゴールドで咬頭被覆すると強さは129あるいは125とまったく削っていない状態よりも、歯は強くなります。

Linnらの実験結果から言えることは、MO窩洞あるいはMOD窩洞をそのまま覆う形で、歯の形態回復をするよりも、一見歯を多く削ってしまうけれども、咬頭を樽のタガのように囲ってあげた方が、歯の強度は強くなるのです。

このように、根管治療を行うほど大きな虫歯があり歯質がなくなっている歯の場合は、クラウンといって、歯をタルのタガのように囲ってあげた方が適切です。

このブログと、2017年5月8日のブログと合わせて読んでいただくと、より理解が深まると思います。

* Linn, Jack, and Harold H. Messer. “Effect of restorative procedures on the strength of endodontically treated molars.” Journal of Endodontics 20.10 (1994):479-485.

 

カテゴリー:根管治療後のかぶせ物, 根管治療 タグ:

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