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[記事公開日]2015/10/13
[最終更新日]2018/11/08

エムドゲイン

今日は、歯周組織再生療法2年後の経過観察ができました。

患者さんが良くなることはとても嬉しいことですが、開院からずっと通院してくださることにとても感謝しております。

矢印は、フィステルと言って、膿の出口のようなものです。左下犬歯の遠心ポケットは、ポケット探針が全部入ってしまうほど深く、三壁性の骨欠損で、排膿も認め、動揺はⅠ度、歯髄診査は、生活歯でした。
レントゲンを撮影してみたら、垂直性骨欠損がありました。

 

垂直性骨欠損
原因は、かみ合わせによるもので、一部分だけ歯周病が進行し、大きな骨欠損を作っています。

フィステルの原因には、もちろん根尖性歯周炎も考えられます。しかし、このケースの場合、生活歯であり、臨床所見とレントゲンからも垂直生骨欠損を認めたため、フィステルの原因が歯周病であることは明らかでした。

遠心面の歯根形態は、不規則です。よっぽど強い炎症があったのか、あるいはセメント質剥離の既往があるのか?
歯周基本治療後、エムドゲインを使って、歯周再生療法を行うことにしました。

 

そして、術後1年
歯周ポケットは、8mm、出血はまだ認めます。
歯槽硬線はまだ認められません。フィステルは消失しています。

 

術後2年
歯槽硬線が認められるようになりました。ポケットは、8mmとまだ深いのですが、出血はほとんど認めなくなりました。患者さんは現在2ヶ月に一度のメンテナンスをかかすことなく、来院してくださります。
以前受講していた歯周病の研修会にて、エムドゲインで再生療法を行った後、文献的には術後1年で骨が再生する、とあるけれども、実際、レントゲンで歯槽硬線が認められるようになるまでは、3年かかる、と講師の先生がおっしゃっていました。もっとはっきり見えるようになるには、もう少し経過観察を続けなければいけないのでしょう。

術前術後の上顎前歯の状態

左が術前、右が術後1年半、上段が正面、下段は左側面の口腔内写真です。正面像からは、上顎前歯の隙間が閉じてきて、正面像と左側面からは、フィステルが消失していることは、わかりますでしょうか?
ところで、奥歯の咬み合わせの問題が残っています。
この患者さんのご希望としては、見た目に違和感がないこと、また、インプラントは拒否していらっしゃいました。

歯周再生療法後、半年を超えてから、補綴治療に入りました。入れ歯を支えなければならない歯は、補強が必要ですから、奥2本ずつを連結冠としました。被せ物は、メタルボンドです。意図的に歯肉と接触しないように、そして二次う蝕を予防するために、エナメルマージンとしました。咬み合わせが安定してきたせいか、患者さんは、歯ぎしりをしなくなった、とおっしゃっています。

 

そして現在は、ノンクラスプデンチャーを装着しています。
上顎前歯の隙間も術後1年半よりも少し閉じてきた感じがします。これは、かみ合わせが安定してきたからだ、と思われます。そして、患者さんのご希望通り見た目の改善もできています。

一番印象的だったのは、『私は、良い被せ物を入れることは知ってたけど、大元を良くすることは今まで考えもしなかった。もっと早く知ってれば良かった』と、患者さんから言われたことです。

これからのことが肝心です。患者さんとの二人三脚を続けていきます。

カテゴリー:歯周病

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