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[記事公開日]2015/09/17
[最終更新日]2018/11/08

PESCJ4回目 in 大阪

前回は、実習編をお伝えしましたが、今回はプレゼン編です。

2ヶ月に1度の大阪回には受講生がケースを持ち寄り、講師やインストラクターの先生方とディスカッションを行います。
今回、私がディスカッションを行った症例は、歯内ー歯周病変という難症例です。
診断は、“歯内”は歯髄壊死、“歯周”が症状のある根尖性歯周炎です。歯髄壊死が原因の歯周病か?歯周病が原因の歯髄壊死か?それとも、歯髄壊死も歯周病も同時に原因か?いずれの場合も、
根管治療からスタートし、歯周治療は根管治療後3〜4ヶ月後です。理由は、根管治療で改善する歯周組織の治癒期間がだいたい3〜4ヶ月必要だからです。もし、どこかに炎症が残っている場合、原因を突き止めて、その原因にしたがった治療を行っていきます。例えば、“歯内”の方に原因がまだ残っている、と判断できれば、歯根端切除術(歯内療法における外科治療)を行い、歯周病の原因が残っている場合は、歯周基本治療後、歯周治療に関する外科治療に移行します。

今回のケースは、“歯内”の診断は歯髄壊死、“歯周”組織の診断が、膿瘍形成を伴う症状のある根尖性歯周炎(膿を持っている根尖性歯周炎)でした。
患者さんの主訴は、腫れているけれども痛みはない、歯がグラグラしている、とのことでした。

歯の神経は死んでおり(歯髄壊死)、それが原因かどうかは結局わからなかったのですが、分岐部病変といって、レントゲンのピンクの矢印のところは、治りにくい炎症です。それに、歯はグラグラしているし、治るかどうか。しかし、歯がグラグラなわりに、骨がそれほどなくなっているわけではありませんでした。歯髄壊死の原因は不明です。レントゲンで明らかに大きな虫歯もありません。

最終的に、通法通りのステップを踏むことになりました。患者さんには、リスク説明も行いますが、治療自体が診断するステップになること、要するに、治療をしなければ治るものも治らないし、治らないものかどうかもわからないのです。医療行為を行う場合、医師は成功率が低いかどうかを、自分の経験値のみではなく、過去の報告から患者さんに情報提供することが大切です。より客観的な判断を患者さんができるように説明していくのは、私の役目だと思っています。現在目の前にある病気を治すために、どうすればいいか、そして治療を行った場合どのくらいの確率で治るのか、期間はどのくらいを要するのか等々。患者さんにとって一番大切なことから話し始めていく、というのは非常に大切です。

術前

術後直後

術後半年後

ピンクの矢印に注目していただくとお分かりになると思われますが、黒い影が徐々に小さくなってきているのがわかると思います。現在経過良好です。
初診時には、歯周病の所見が非常に強かったケースです。歯周ポケットも10mm以上あり、動揺度はⅢ度(一番グラグラしているということ)もあり、意思決定が非常に難しかったケースでした。

先輩方にアドバイスされて、なるほど!と思ったのは、自分にとって“uncomfortable”はどこか?ということをいつも考えた方がいい、と。
このケースの場合、どこを、“uncomfortable”だと思ったか。
それは、
①原因がよくわからなかったこと
②重度の歯周病であったこと
③治療が診断的なステップになること

患者さんは、思い切って治療をする、という決断をしてよかった、とおっしゃっていただいています。
これからも、経過観察を行っていきたいです。

カテゴリー:ペンエンド

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