外傷歯
事故や運動中のケガなどで歯が折れたり、抜けてしまうことがあります。このような状態を外傷歯といいます。外傷歯の治療では、根完成歯(一般的な永久歯)と根未完成歯(生えたばかりの永久歯)では、大きく異なります。迅速で適切な治療を行うことで、良好な結果が得られます。外傷歯は大きなダメージを受けています。歯の根の周りにある歯根膜という組織に大きな損傷があると、外傷歯の予後は不良になります。歯根膜に対するダメージを最小限にするには、受傷した現場での対応が迅速で適切であることは不可欠です。
患者様ご本人や保護者の方にぜひ協力していただきたいこと
- 歯が抜けてしまったら、絶対に乾燥させないでください(抜けた歯をティッシュで包まないようにお願いします)。
- 抜けた歯をその場で戻せれば、戻してください。(抜けた歯の戻し方は、後述します。)
- 抜けた歯を元の場所に戻せない場合は、乾燥させずに抜けた歯ごとご持参ください。
- 歯に砂利などの異物がついている場合は、元の位置に戻さず異物がついている状態で、歯を保存液に入れてください。
- 保存液がその場にあれば抜けた歯を保存液中に入れて、なければ牛乳、保存液も牛乳もなければ、患者様に歯全体が唾液につかるくらいの量がたまるまで、容器に唾液を吐き出してご持参ください。
外傷歯は、迅速で適切な対応を行うことで良い治療結果が得られますので、放置せずに、一度、ももこ歯科にご相談ください。
歯を受傷された患者様・保護者様・教師の方にやっていただきたいこと
1.患者様を落ち着かせる
2.歯の欠けた破片を見つけたら、破片を乾燥させずに保存液、あるいは牛乳、生理食塩液等々を入れた容器に保管して、歯科医院を受診してください。
3.抜けた歯を発見したら、その場で戻してください。(歯を元に戻すまでの時間が短ければ短いほど、経過は良いです。)
抜けた歯の戻し方
●正しい歯の持ち方 |
✖誤った歯の持ち方 |
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歯を戻す際は、痛みを感じません。根は触らないでください。歯冠部のみ触って、歯を元に戻してください。患者様以外の方が歯を戻す場合は、歯冠部はおもて面を親指で、うら面を人差し指で持つ、患者様ご自身が歯を戻す場合は、歯冠部のおもて面を人差し指で、うら面を親指で持ち、歯をゆっくりと90°以内で時計回りと反時計回りに交互に回転させながら戻してください。このような回転をさせることで、抵抗なく歯を元に戻すことができます。歯のおもてと裏がよくわからなかったら、歯を横から見てください。凹んでいるほうが裏になります。それから歯の表とうらを誤って挿入しようとすると、入りずらく抵抗を感じます。歯のおもてと裏を再確認し、正しい向きに歯冠部を持ち直したら、少しずつゆっくりと回転させながら歯を戻してください。患者様ご本人が歯を戻す場合は、鏡を見ながら歯を戻した方がやりやすいかもしれません。
歯のおもて・うら・横
歯のおもて面
歯のうら面
歯の横向き
抜けた歯が元の位置に戻ったか確認する方法
抜けた歯が元の位置に戻ったという見極めは、噛み合わせに違和感がないこと、隣の歯との位置関係に違和感がないこと、歯頚部から根の先まで歯肉の中に入っていることです。歯を正しく戻せた場合、根と歯冠部の境目はちょうど色調が変わります。この境目を歯頚部といいます。歯頚部と歯肉はほぼ同じ位置にあることが多いです。ある程度の年齢になると歯肉が下がってくるため、歯頚部と歯肉のラインが同じにならず、歯がきちんと入っていないような感じになるかもしれませんが、歯を元に戻そうとした際、歯のおもて面と裏面の位置関係が正しいにも関わらず、抵抗を感じれば歯肉の位置と歯頚部が一致していなくても大丈夫です。患者様が若年者の場合は、歯頚部と歯肉の位置はほぼ一致するはずです。
外傷歯はなるべく早く歯科医院を受診してください
傷をしばらく放置すると、細菌感染によって、歯の痛みや歯茎の腫れを感じるようになります。最悪の場合、抜歯と診断されてしまいますので、すぐに歯科医院を受診することが大切です。外傷歯は、迅速で適切な対応を行うことで良い治療結果が得られますので、放置せずに、一度、ももこ歯科にご相談ください。