歯を残すためには適切な
プラークコントロールが大切
むし歯や歯周病などの口腔トラブルの原因となるプラークを可能な限り減らし、プラークをできるだけ停滞させないようにすることをプラークコントロールといいます。プラークを蓄積させないためにはまず「毎日ブラッシングをすること」は欠かせませんが、それだけではプラークの増殖を抑制することはできません。プラークコントロールをするためには、ご自宅で行うセルフケアと歯科医院で行うプロによるケアの両方を適切に行う必要があります。毎日お家で行うセルフケアでは、正しいブラッシングを行うことが大切です。ご自身の歯並びやお口に合った歯ブラシを選び、適切な力加減で、正しく歯ブラシを動かさなくては、磨き残しが生じプラークを増殖させてしまいます。自己流のブラッシング方法ではなく、歯科医院できちんと正しいブラッシング方法を学ぶことが大切です。フロスや歯間ブラシなども使用し、毎日お口の汚れを隅々まで落とすことがむし歯や歯周病などのトラブルを予防するためには重要です。歯科医院で行うプロによるケアでは、セルフケアでは取り除くことができない強固にこびりついたバイオフィルムや歯石を徹底的に取り除きます。定期的に歯科医院でプロのメインテナンスを受けなくては、プラークの増殖をコントロールすることはできません。歯の健康を長く維持するためには、毎日正しいセルフケアを行い、定期的にプロのメインテナンスを受け、プラークコントロールを適切に行うことが大切です。
歯垢・歯石とは?
プラーク(歯垢)
プラーク(歯垢)とは、歯の表面に付着する細菌と代謝物の塊のことでバイオフィルムとも呼ばれ、白くネバネバしています。糖分を含んだ飲食物を口にした後にプラークは発生しやすくなります。プラークには口の中で繁殖したおびただしい量の細菌が含まれていて、プラーク1mgあたりに数億個もの細菌が存在していると言われています。プラークに含まれるミュータンス菌は食事などの糖を養分にして酸を作り出します。この酸によって歯が溶かされ、むし歯を引き起こします。また、歯と歯茎の隙間に付着したプラークは歯周病を引き起こす原因にもなります。プラークは食後8時間程度で作り出されますが、プラークの状態であればブラッシングで簡単に取り除くことが可能です。しかし、プラークを長時間放置してしまうとご自身でのブラッシングでは取り除くことが難しく、プロのケアで取り除く必要があります。
歯石
プラークが歯に付着したまま2〜3日経過すると、唾液中のカルシウムやリン酸などと結びつき石灰化し「歯石」に変わります。歯石は硬く、歯に強固に付着しているため、ブラッシングで取り除くことができません。また、歯石は表面がザラザラしているため細菌が付着しやすく、むし歯や歯周病、口臭などの口腔トラブルを悪化させる原因になります。歯科医院で専門の機器で取り除く必要があります。
予防歯科メニュー
歯磨き指導
ご自身ではきちんと磨けているつもりでも、ほとんどの方に磨き残しがあります。歯ブラシが届きにくい奥歯や、歯の裏側、歯並びによっては重なってしまっている部分など、汚れが溜まりやすい箇所は人それぞれ異なります。当院では、患者様一人ひとりの歯並びやお口の状態に合った適切な歯磨きの方法を丁寧にお伝えさせていただきます。歯ブラシの種類や持ち方、動かし方を少し変えるだけでもプラークを減らすことができます。また、必要に応じてデンタルフロスや歯間ブラシの使い方のコツなども分かりやすくレクチャーいたしますので、お気軽にご相談ください。
スケーリング・
ルートプレーニング
プラークが時間の経過とともに石灰化し「歯石」に変わってしまうと、細菌が繁殖しやすくなるため歯周病を悪化させる原因となってしまいます。歯石はブラッシングでは除去できないので、歯科医院で専門の器具を用いて取り除く必要があります。歯茎から上に付着している歯石はスケーリングによって取り除きます。そして、歯茎の内側の歯周ポケットに入り込んでしまった歯石はルートプレーニングによって取り除きます。スケーリング・ルートプレーニングによって歯垢や歯石を徹底的に取り除くことで、軽度〜中等度の歯周病の多くは改善することができます。
PMTC
歯科医院で専用の器具を使って行うクリーニングをPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)といいます。ご自身のブラッシングだけでは落としきれない汚れや歯垢を徹底的に落とします。PMTCを行うことで歯の表面もツルツルに仕上がるため、施術後しばらくは歯垢が付きにくくむし歯や歯周病予防にもつながります。また、お口の中の汚れを徹底的に落とすので爽快感があり、口臭も予防することができます。
フッ素塗布
フッ素には、歯の再石灰化を促しエナメル質を回復させる作用・歯質を強化し酸に溶けにくくする作用・ミュータンス菌の活動を抑制する作用などがあるため、むし歯予防に非常に効果的です。歯科医院での高濃度のフッ素塗布は約3ヶ月に1回のペースで行っていただくとより効果的です。また、毎日のご自宅でのケアにもフッ素配合の歯磨き粉などを使用していただくことをおすすめします。
むし歯・歯周病を
繰り返さないための
メインテナンス
お口の健康を守るためには、歯科治療後のメインテナンスが非常に重要です。ももこ歯科では、患者様が10年後、20年後も健康でいられるよう予防歯科にも力を入れています。歯科先進国の北欧や欧米などでは当たり前に行われている予防歯科ですが、日本ではまだまだ浸透していません。予防歯科とは、むし歯や歯周病などの口腔疾患に対し、発症してから治療するのではなく、ならないための予防を大切にすることをいいます。当院では、なぜむし歯や歯周病を発症したのか、なぜ繰り返すのかなど口腔トラブルの原因を分析し、患者様一人ひとりに適した生活習慣や食事の改善指導と、歯垢や歯石を徹底的に取り除くプロのケアなどを丁寧に行っております。むし歯や歯周病を繰り返さないためには、毎日の正しいセルフケアと歯科医院での定期的なメインテナンスが欠かせません。口腔トラブルを予防することは、歯の健康を長く維持するだけでなく、全身の健康を守ることにもつながります。10年後、20年後のご自身の健康のためにも定期的なメインテナンスを受けるようにしましょう。