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- 2024.3.27
ももこ歯科での根管治療11〜サイナストラクトは治るのか症例5歯内歯周病変編〜
ももこ歯科のブログを読んでくださる皆様、いつもありがとうございます。
前回のつづきで、意図的再植術を行った後のサイナストラクトと歯周ポケットについてお話しします。
意図的再植術後のサイナストラクトについて
2022年4月22日に右上顎第二大臼歯の意図的再植術を施行しました。2022年7月25日に意図的再植後3ヶ月経過観察では、サイナストラクトの治癒を確認し、2023年11月1日現在までサイナストラクトの再発を認めません。
意図的再植後の根尖部透過像について
根尖部透過像は縮小していますが、歯周ポケットは頬側中央が4mm、近心口蓋側は6mmです。
打診痛と根尖部圧痛は認めません。ポケットが依然として深い理由をCTで確認します。
CTでポケットが深い理由を確認する
根尖部透過像は縮小しています。しかし、近心頬側根と遠心頬側根の分岐部と口蓋根と近心頬側根の分岐部に透過像を認めます。これを分岐部病変といいます。一度分岐部病変を患うと、治癒は難しく重症化しやすいです。
サイナストラクトは意図的再植後に治癒したことからendo由来(歯内病変由来)で、本症例はprimary endo – secondary perioであることがわかりました。意図的再植術後も歯周ポケットが深いままなので、歯肉の腫脹や歯の動揺等々、歯周病の症状が将来出現するかもしれません。幸いにして患者さんの口腔内はとてもきれいですし、今後は、歯周病の急性症状の発症を予防することを目的に、3ヶ月に1度のクリーニングで経過観察していきます。
次回は、歯内歯周病変のまとめです。
お楽しみに。