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[記事公開日]2017/12/26
[最終更新日]2018/11/08

根管治療中の痛みについて part1
なかなか終わらない根管治療

みなさん、こんにちは。いつも、ももこ歯科のブログを読んでいただきまして、ありがとうございます。

前回までは、根管治療は痛みを取る治療であることをお話ししました。このことは、主に治療前の痛みが対象です。今回からは、根管治療中(治療と治療の間や、治療中)と根管治療後の痛みについて、お話しします。

患者さんからのお問い合わせ内容を以下に記します。

  1. 根管治療はいったん終わったけど、痛みがあるから、またやり直して半年以上かかっている。治療は終わらないし、痛みも取れない。
  2. 根管治療前は痛くなかったのに、根管治療中からずっと痛みが取れない。痛みが取れないから、先生からは薬を詰められない、と言われて、ずっと蓋をせずにいる。
  3. 根の治療中で、ずっと痛みが取れない。先生には、痛みが取れないなら抜歯するしかない、と言われた。
  4. 今、根管治療中で、痛みがずっとあることを先生に話したら、根がわれているかもしれない、と言われた。

まず、1〜3に関しての原因は、同じであることが推測されます。根管治療を繰り返し行なっているにもかかわらず、痛みがなかなか引かない理由は、痛みの原因=細菌を除去しきれていない可能性があります。

ルールを厳守した根管治療とは

ここで再考しなければならないのは、ルールを厳守した根管治療=無菌的な環境で根管治療を行なっているかどうかです。ルールを厳守していなければ、根管治療を繰り返し行なっていたとしても、痛みの改善は望めない可能性があります。また、蓋をしたら痛み出した、だから蓋をしない、という理由は、おそらくドレナージ(圧抜き)と思われます。しかし、蓋をしなければ細菌が根管に定着する環境を作ることになりますので、蓋はしておいた方がいいです。

それから、痛みが取れないから抜歯という判断も適切な場合と時期尚早である場合があります。痛みが取れない原因を除去しきっているのであれば、抜歯と判断することは適切かもしれません。たとえば、痛みの原因が歯の内部にある場合、根管治療を行ったが痛みは取れず、外科的歯内療法を行ったにもかかわらずまだ痛みが取れない、となれば、抜歯を検討してもいいと思います。しかし、根管治療のみ行って、痛みがなくならないから抜歯を検討するのは時期尚早です。

次に、4についてです。

痛みがあるから根がわれている、のではなく、根がわれているから痛みがあるのです。根がわれているかどうかの確定診断は、直接眼で見ることです。しかし、肉眼や拡大鏡で、根がわれているかどうかを確認するのは、なかなか至難の技です。マイクロスコープで、根がわれているかどうか確認して、写真で見れた方が、患者さんも納得しやすいと思います。

では、実際の症例をみていきましょう。

症例1は、39歳女性です。3年前に、治療期間が1年くらいかかって根管治療が終了し、被せ物をかぶせたが、違和感は消えず、他院でまた根管治療を行うも、違和感があるので薬を入れられず、蓋をすると痛みが出てくるかもしれないから、開けっ放しになっていて、この状態がずっと続いてしまうのは不安だと、ももこ歯科にいらっしゃいました。

左の口腔内写真の矢印が、根管治療中の歯です。患者さんから聞き取れる情報として、ルールを厳守した根管治療を行っていないようでした。初診時の診査の結果は、コンコンと歯を叩いたり、歯の根元を抑えると痛みがあり、患者さんが訴える症状を再現できました。

痛みが継続する原因は?

痛みが継続している直接的な原因は細菌感染です。根管の中に痛みの原因である細菌がいれば、ルールを厳守した根管治療で痛みが改善する可能性はありますが、根管の外に痛みの原因菌が存在する場合、根管治療と外科的歯内療法を行う必要があります。そして、継続的な痛みの間接的な原因は、歯のひび割れ歯に穴があいている場合です。歯根にひび割れが原因で痛みがある場合の治療法は、抜歯が第一選択になること、根管にがあいている場合は、根管治療中に穴の修復処置を行うことが一般的ですが、必要に応じて外科的歯内療法を行う必要があります。

痛みを取るには、歯の保存を希望すれば、第一選択は根管治療、次に抜歯、そして何もせずこのまま経過観察の順番です。もし、費用対効果や確実に痛みを取りたいのであれば、抜歯が一番確実です。患者さんは、悩んだ末ルールを厳守した根管治療を選択しました。

結果として、痛みは消失しましたが、私にとって、とても勉強になる症例でした。理由は、症例1の歯の根尖は大きく開いており、機械的拡大(切削器具を使って、根の中で細菌に感染しているところを除去すること)をしようと太いファイルを使っているにもかかわらず、根管の中でファイルは空回りしているような状態で、結果的には機械的拡大は行っていない、といっても過言ではない状況でした。しかし、痛みが取れたのは、洗浄剤と貼薬剤の抗菌効果が功を奏してくれたのではないか、と考えています。

ルールを厳守した根管治療を行っているにもかかわらず、痛みが出現することはありますが、せいぜい術後1週間くらいです。痛みが長引いている場合は、ルールを厳守した根管治療を行っているか再考し、その上で治療方針を再検討した方がいいかもしれません。一方で、歯内療法後の痛みが継続する場合があります。

歯内療法後の継続する痛み(非歯原性疼痛)については、次回お話しします。
お楽しみに。

カテゴリー:痛み, 根管治療 タグ:

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