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- 2019.4.26
根管治療を失敗させない=成功させる要件〜その6〜
ももこ歯科のブログを読んでくださる皆様、
いつもありがとうございます。
今回のブログは、根管治療を失敗させない=成功させる要件その6
歯根部分編最終回:汚れを取ろうとした結果…です。
根管治療をしているけど痛みがなかなか取れない、
とももこ歯科を受診する患者さんは少なくありません。
もともと痛みや腫れがあった患者さんもいらっしゃれば、
痛みはなかったけど治療して以来痛みが出てなかなか取れない、
という患者さんもいらっしゃいます。
痛みや腫れを取るために根管治療をしているはずなのに、
痛みが取れないのはなぜか?という疑問が湧いてきます。
そこで、実際の症例で疑問を解決していきます。
基本コンセプトの厳守が一番大切
症例1の患者さんは、初診時28歳女性です。
主訴は、右上の歯の痛みと歯肉の腫脹が取れない、とのことでした。
半年くらい前に、腫れて痛みがあり根管治療を行なっていましたが、
根管充填を行うと痛みが悪化し、
根充剤を除去しもう一度根管治療を行なったけれども、
腫れと痛みが改善しない、とのことでした。
原因を考えてみたいと思います。
原因の特定
初診時口腔内写真から、
白い矢印の部位が腫れていることがわかります。
腫れている部位のレントゲン写真については、
X線に感光する材料を腫れている歯肉から入れると、
側切歯の根の先に材料が到達しています。
患者さんが気にしている腫れと痛みの原因は、
右上顎の側切歯であることがわかりました。
原因の考察
根管治療を行なっても腫れや痛みがあった原因は、
根尖部に汚れが残っていたようです。
症例1:根管治療後の口腔内写真に示すように、
根管治療で腫れと痛みは改善されました。
しかし、歯肉から膿が出ている状態が改善されませんでした。
症例1:根管治療後3ヶ月を示します。
術前と同じように、膿の出口からレントゲンに感光する材料を入れると、
根尖に到達します。
歯根端切除時の写真です。
白い矢印は、汚れが取りきれていなかったところです。
実はこの汚れを取りきれなかった部分が、オリジナルの根管の一部分で、
オレンジの矢印で示す根充剤で充填されている根管のある部分は、
新たに形成された根管ではないかと考えています。
そのため、オリジナルの根管にある汚れを根管治療だけで取ることが難しくなり、
膿が出続けていたのではないかと思います。
太いファイルで根尖部分の汚れを取ろうとすると、
オリジナルの根管に沿って拡大操作を行うことが難しくなります。
オリジナルの根管形態を保つことは、非常に重要です。
それから、根管治療で腫れと痛みが改善したことは、
基本コンセプトを厳守した根管治療を行ったからです。
基本コンセプトを厳守した歯内療法を皆様に知って欲しいと思っています。
次回のお話は、根管治療を失敗させない=成功させる要件として、
きれいな根管を維持していくためにはどうしたらいいか。
初回は根管充填のお話です。
お楽しみに。