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2023.11.24

ももこ歯科での根管治療7〜サイナストラクトは治るのか 症例4歯内歯周病変編〜

ももこ歯科のブログを読んでくださる皆様、いつもありがとうございます。

今回のブログは、前回のつづきで、深い歯周ポケットをともなうサイナストラクトがある歯内歯周病変のケースが、根管治療を行った結果どうなったかをお話しします。

 

根管治療後どうなったか

根管治療後6ヶ月経過しても、サイナストラクトは治癒していませんでした。

打診痛はありませんが、根尖部圧痛を認めます。そして、歯周ポケットは頬側中央8mm、分岐部が6mmと相変わらず深いです。

根管治療後もサイナストラクトは存在している

根管治療後の根尖部透過像のサイズも、初診時と変化はないようです。

サイナストラクトが、根管治療をしても治癒しなかった理由を考える

前回のブログで、前回の根管治療サイナストラクトが治癒しなかった理由を2つ考えました。一つは、根管形成洗浄・貼薬により十分な根管消毒ができなかったこと、もう一つが根尖孔外感染です。

根管内の消毒に関しては、ももこ歯科での根管治療で十分に行えているはずなので、サイナストラクト根管治療で治癒しなかった原因は、根尖孔外感染が存在しているのではないかと疑いました。

当院で根管治療を行った後に根尖性歯周炎が治癒しなかった場合は、再根管治療は検討しません。理由は、根管内の消毒を十分に行えているからです。それから、根尖孔外感染が起きている場合は、十分な根管内の消毒ができていたとしても、サイナストラクトを治癒させることは不可能です

サイナストラクトを治癒させる次の番手は、外科的歯内療法あるいは抜歯がありそれぞれ検討します。

外科的歯内療法は適応か、検討する

根管治療に奏功しないサイナストラクトは、外科的歯内療法が適応になります。サイナストラクト外科的歯内療法で治癒するかもしれませんが、もう一つの問題があります。それは、歯周病です。本症例の場合、頬側中央のポケットが8mm、分岐部は6mmとあり、外科的歯内療法を行っても、歯周病の問題は残る可能性があります。

ここで初診時に戻り、患者さんが、ももこ歯科で根管治療を受けようと思った理由を検討します。本症例の患者さんの主訴は、『左下が腫れていて、浮いた感じがする』です。患者さんがおっしゃる『腫れ』とは、サイナストラクトのことです。サイナストラクトが治癒すれば、患者さんの主訴は解決します。しかし、歯周病という問題が新たに浮上し、患者さんを困らせる可能性もあります。では実際、新たな問題になる歯周病とは、将来患者さんをどのように悩ませるか。これは、次回のブログでお話しします。

この時点で、患者さんにどうしたいか、質問をします。

『腫れ(サイナストラクト)は、外科的歯内療法で解決できるかもしれないが、ポケットは根管治療を行っても深いままで変わらないことを考えると、外科的歯内療法後に歯周病の問題は残り、現在の腫れとは違う原因で歯肉の腫れを繰り返すことになるかもしれない。現時点で、歯の保存を強く希望するなら外科的歯内療法、将来腫れを繰り返すストレスに悩まされない方を希望するなら抜歯が適応』

患者さんは、歯の保存を希望されましたので、外科的歯内療法を行いました。

次回、外科的歯内療法後に、サイナストラクトはどうなったかをお話しします。

お楽しみに。

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