Blog list院長ブログ
- 2016.10.21
原因不明の『かむと痛い』の正体は、歯がヒビ割れていた?〜経過良好編〜
みなさま、お変わりないでしょうか?
9月から10月は何かと忙しく、休みがほとんどありません。
休みが欲しいなー、と思うと、前勤務先の院長に言われた、『開業したら、今の倍以上働かないといけない。大変だよ〜。』を思い出します。
さて、今回のテーマは、原因不明の『かむと痛い』の正体が、実は、歯のひび割れだった場合です。
歯科医院には、『かむと痛い』を主訴に訪れる患者さんは多いです。最も多い原因は、虫歯や歯髄炎、あるいは根の先に膿がある場合等々で、比較的診断はしやすいです。一方で、虫歯や歯髄炎、あるいは根の先に膿がある場合が原因として否定された場合、次に疑われる疾患は、歯のヒビ割れです。
そんな患者さんのよくある訴えには、
その1)かむと痛いけれども、虫歯や歯髄炎あるいは根尖性歯周炎はなく、一時的なものかもしれもしれないので、様子をみてください、と言われて半年くらいたつ。症状は変わらない、あるいはひどくなっている気がする。
その2)何度も治療をしているのに、かんだ時の痛みがずっと良くならない。
その3)歯にヒビが入っているから抜歯したほうがいい、と言われた
その4)根の治療をするたびに、かむと痛い。
等々あります。
ヒビ割れの確定診断は、目で確認するのみです。その際に有効なツールとして、マイクロスコープや、見えるのであれば拡大鏡です。主治医だけが目で確認し、ヒビ割れが見えるなら拡大鏡でも十分ですが、ヒビ割れの状態を患者さんと情報共有したければ、カメラが取りつけられるマイクロスコープの方に軍配は上がるでしょう。
歯にヒビが入っているからといって、すべてを抜歯しなければならない、というわけではありません。ヒビ割れの進展具合によって治療方針も変わります。そこで、歯にヒビ割れはあるけれども、比較的経過良好な2つをご紹介します。
1.クレーズライン
2.咬頭破折
次回は、ヒビ割れの経過が不安定、または不良な場合をお伝えします。